医療技術部
薬剤部
部門長 和泉 早智子
(常勤薬剤師11名、非常勤薬剤師2名、薬剤助手2名、非常勤薬剤助手1名:うち 緩和薬物療法認定薬剤師1名,がん薬物療法認定薬剤師1名,栄養サポートチーム(NST)専門療法士3名)
薬剤部は薬品の購入・管理・供給、調剤、医薬品状況の提供など薬剤に関する業務を行っている部門です。具体的な業務は以下の通りです。
1.調剤業務
薬の量、飲み合わせ、飲み方など処方内容に疑問点や問題点がある場合は必ず医師に確認を行い、処方箋の調剤を行います。患者さんへの投薬が安全なものになるよう毎日業務を行っています。
2.医薬品供給業務
病院内で使用される医薬品の購入・出庫・在庫管理を行っています。日常診療で薬剤の不足が起きないように注意し、医薬品の適正使用・安全対策に努めています。
3.医薬品情報管理業務
医薬品の適正使用を目的として、病院スタッフに医薬品情報を紙媒体・電子媒体で提供しています。医薬品の採用または中止に際して資料の収集および整理を行い、採用・不採用の情報を院内に周知しています。また、医師や看護師などの病院スタッフや患者さんからの薬に関する問い合わせへの対応を行っています。
4.病棟管理業務
全ての病棟に薬剤師を配置し、チーム医療を担う一員として患者さんの薬物療法から副作用の有無の確認を行っています。化学療法から緩和ケアの薬物療法まで幅広く関わっていることが当院薬剤課の大きな特徴です。入院患者さんへのベッドサイドでの服薬指導だけでなく、看護師配薬の薬剤を1回分ずつ与薬カートにセット・監査を行うことで与薬にも係っています。
5.注射剤の払い出し、抗がん剤の調整
入院中または外来を利用して治療を受けられる患者さんの注射剤の払い出しを行っています。薬剤の用法・用量・投与経路・注射剤を調整した後の安定性、配合変化などを薬剤師の視点で処方内容をチェックして払い出しています。スタッフの安全を守るため、抗がん剤調整時には安全キャビネットや閉鎖式の機器を用いています。
2018年度業務実績
処方箋枚数 | 外来(院内) | 495枚 |
---|---|---|
入院 | 44,260枚 | |
注射処方箋枚数 | 86,170枚 | |
抗がん剤調整件数 | 外来 | 32件/週 |
入院 | 22件/週 | |
薬剤管理指導件数 | 2,685件 |
放射線技術部
部門長 小舘 篤
(放射線技師9名、受付1名)
放射線技術部では、最先端の医療や高度な診療を支えるため、様々な高精度検査機器による検査を行っています。
検査機器としては以下のものを使用して検査を行っています。
1.CT装置(キャノン)
マルチスライスCT80列
短時間で高詳細なデータを得ることが可能です。

2.MRI装置(フィリップス)
1.5テスラMRI
DWIBS PETの様な撮影ができます。

3.RI(核医学核査)装置(GE)
装置の感度が向上し、従来よりも短時間で撮像が可能になりました。また、画像再構成方法が新しくなり、画質が向上しました。
装置GE.png)
4.マンモグラフィ装置(GE)
マンモトーム生検(針生検)、トモシンセシス(断層撮影)
マンモグラフィ検診認定資格を有する女性技師3名で検査を行っています。

項目 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|---|
CT | 4863件 | 4507件 | 4494件 | 4418件 |
MRI | 1953件 | 1762件 | 1867件 | 1688件 |
RI | 859件 | 769件 | 973件 | 887件 |
MMG | 994件 | 903件 | 785件 | 742件 |
放射線技術部門では当院の検査のみでなく、各医療機関からの検査依頼も受け付けています。検査依頼は放射線技術部門直通電話(011-555-3347)までお願いいたします。
臨床検査部
部門長 渡邉 奈々恵
臨床検査部は、検体検査室と生理機能検査室から構成されており、検体検査室と生理機能検査室は医療技術部に属しています。
診療科の案内⇒中央管理部門⇒臨床検査部
【検体検査室】
室長 本間 等
患者さんから採取された血液、尿、便、喀痰などの検体には体の中のさまざまな情報がつまっています。この検体を生化学、免疫学、血液学、細菌学、病理学などを応用し、特殊機器を使い分けながら分析、調査するのが臨床検査部です。集められた検査情報をもとに患者さんの病態を把握、病気の程度、治療の効果や予後の推測が行われ、患者さんに適切な治療法が選択され治療が進められます。業務の主なものは以下の通りで、通常、臨床検査技師5名で業務を行っています。
1.生化学・血清・免疫検査
酵素・脂質・血糖関連・感染症・腫瘍マーカー・ホルモンなど様々な項目を検査し報告しています。


2.血液検査

血液中の白血球・赤血球・血小板などの測定を行い、貧血や異常細胞の種類な度を報告しています。また、出血傾向、血栓予防や治療のための凝固検査を行い報告しています。
3.一般検査
尿中物質を測定し、沈査で異常細胞の検索などを行い報告しています。また、便・脳脊髄液などの検査も実施しています。

生化学・血清・免疫検査 | 2670件 |
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血液検査 | 2830件 |
一般検査 | 1036件 |
【生理機能検査室】
室長 狩野 可奈
超音波検査士3名を含む女性検査技師5名で、超音波検査をはじめ各種の生理学的機能検査を行っています。また腹部領域では日本超音波医学学会認定専門医・指導医資格を有する医師、循環器領域では循環器内科外科を担当する医師も検査を行っています。検査時に患者様の負担がなるべく少なくなるように心がけて検査を行っています。検査の際にはワンピース・つなぎ・和服などは避け、締め付けのない、まくり上げや着替えのしやすい服装でお越しくださるようご協力をお願いします。
1.超音波検査

一般的に「エコー検査」と呼ばれる検査で、体の表面にゼリーを塗りプローブという機械をあて行います。痛みや被爆等の危険もなく安全に繰り返し行える検査で、検査所要時間は10~30分です。当院では腹部・乳腺・甲状腺・リンパ節・心臓・頸動脈などのエコー検査や、細胞診・針生検等各種穿刺検査のエコーでのガイドなど、診療に必要な検査を行っています。検査は予約制ですが、緊急の場合には当日対応もしています。超音波装置は据え置き専用3台を含む7台を所有しており、数年ごとに順次最新型に更新をしています。
2.心電図検査
心臓の脈拍の速さやリズム等心臓の電気的な働きを調べる検査です。不整脈や心筋梗塞・狭心症などの虚血性心疾患が無いかなどを調べます。数分程度の検査ですが、症状によっては小型の心電計を24時間装着するホルター心電図や、運動をして記録するマスター心電図なども行っています。
3.血管伸展性検査
両手両足の血圧などを測り、動脈に血液の流れを妨げるような狭くなったり詰まったところが無いかや弾力性を調べる検査です。動脈硬化の程度(血管年齢)を推定することができます。
4.眼底検査
眼底カメラを使用して網膜の状態を目の外側から観察する検査です。当院では瞳孔を開く点眼薬を使用せずに検査を行っています。
腹部エコー検査 | 1965件 |
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表在エコー検査 | 2317件 |
心エコー検査 | 708件 |
エコー下穿刺検査 | 691件 |
眼底カメラ | 66件 |
心電図 | 5951件 |
マスター心電図 | 8件 |
ホルター心電図 | 97件 |
呼吸機能検査 | 450件 |
血管進展検査 | 246件 |
リハビリテーション部
部門長 野知 有郁子
(理学療法士2名、作業療法士4名、言語聴覚士1名、音楽療法士1名
うち 福祉住環境コーディネーター2名、専門作業療法士(がん分野)1名)
主に入院患者さまを対象とし、病棟・生活の中でのリハビリテーションを重視しながら、疾病や治療の影響による身体機能の低下、体力の低下等を出来る限り予防・改善し、QOL(日々の生活の質、生命の質)を維持・向上できるように努めています。
がん診療を中心とする当院で、平成16年の部門開設当初から主に維持期・緩和期のがんのリハビリテーションを進めてきました。当院の特色である緩和ケアの一端を担うべく、患者さま・ご家族の意向や価値観を尊重しながら、医師・看護師はもちろん管理栄養士や薬剤師、医療ソーシャルワーカー(MSW)、ボランティア等多職種で連携し、少しでも苦痛が少なく、その方らしく過ごせるようチーム医療を実践しています。日常生活の中での小さなご希望から外出・外泊、早期退院等、どのように過ごしたいのかという選択肢を1つでも多く保てることを目指しています。緩和ケア病棟に入院中の方も、一般病棟と同様に介入させていただいています。
音楽療法も個別に対応しており、入院生活の中で生の音楽を聴いたり、歌ったり、演奏したりすることは苦痛の軽減や気分転換、心理的なサポートに有効です。同席するご家族の癒しになることも少なくありません。
また訪問看護ステーションも兼務しており、ご自宅でその方らしく安心して過ごせるように在宅でのリハビリテーション・音楽療法も行っています。
リハビリテーション実績
2015年 | 353人 |
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2016年 | 450人 |
2017年 | 452人 |
2018年 | 569人 |
2015年 | 80人 |
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2016年 | 112人 |
2017年 | 121人 |
2018年 | 132人 |
栄養管理部
部門長 板倉 育子
(管理栄養士を含む栄養士5名)
入院患者さんの給食管理・栄養管理、外来での栄養指導を行う部門です。安全かつ衛生的で患者さまに喜ばれる食事の提供はもちろん個別対応による食事ケアを中心とした栄養管理の充実を目標に、食事相談に応じています。
以下のような業務を行っています。
1.給食管理
当院の理念「やさしさ」を食事提供の基本とし、すべての病棟で患者さんやご家族と対面のやりとりのうえに、温もりのある細やかな食事ケアを心がけています。患者さん一人一人の体格や病状に合わせて治療食を提供していますが、アレルギー対応や食事量が少ない患者様に対して嗜好に合わせた食事の調整や主食や量の変更を行うなどの個別対応もしています。一般食の患者さんを対象に選択メニューの提供を昼食と夕食で週6回行っています。また年に数回行事食の提供を行っています。
残量・嗜好調査を定期的に行なって、喫食率の向上のために献立の改善に努めています。
【食べやすい食事の工夫の例】


2.栄養指導
医師の指示のもとに生活習慣病を中心として様々な病気に対して食事療法のアドバイスを行います。また食事が思うようにできずに困っているがん患者さんやその家族を支える栄養指導・相談も行います。
指導は予約制で、毎週月~金曜日(9:00~12:00、13:30~16:00)に20~30分程度の所要時間で行っています。
3.栄養管理・NST(栄養サポートチーム)
医師、看護師、薬剤師など他の職種とチームを組んで患者さん中心の栄養管理を行うことで治療効果の向上を図っています。NST介入以外の患者さんに対しても必要に応じて食事を調整し、入院中の栄養状態の保持・改善のサポートをします。
外来患者指導件数 | 入院患者指導件数 | |
---|---|---|
4月 | 70件 | 19件 |
5月 | 69件 | 18件 |
6月 | 82件 | 20件 |
7月 | 78件 | 20件 |
8月 | 79件 | 35件 |
9月 | 69件 | 21件 |
10月 | 84件 | 34件 |
11月 | 95件 | 24件 |
12月 | 99件 | 26件 |
1月 | 90件 | 29件 |
2月 | 82件 | 20件 |
3月 | 103件 | 23件 |
患者支援部
部門長 多田 正人
当院に入院・外来通院されている患者様やご家族からの相談を受けたり、地域の病院・診療所の先生たちとの連携をとるための部門です。地域連携室とMSW室で業務を分担しています。
地域連携室
地域連携室長 佐々木 あづさ
(ほか看護師3名、事務職員1)
当院は「がん専門病院」として集学的治療を行うことができる病院であり、多くの方々に利用していただけるように地域の医療、介護機関と連携しております。地域連携室は、主にがん患者さんの当院へのご紹介、シームレスな診療、フォローアップ、療養体制の構築を支援し、がん治療中・治療後、また療養、終末期など様々なステージにおいて、患者さんがお住まいの地域で安心して治療、療養できるような連携を担っている部署です。
地域の病院・診療所の先生方と当院との機能分担、双方の連携の橋渡しとなるよう、ご紹介患者さんの診療に必要な様々な情報提供にも努めています。
具体的な業務として以下のことを行っています。
1.初診支援
各医療機関や施設からご紹介いただいた患者さんの緩和ケアをはじめとする各外来の予約、紹介元への資料提供依頼などの支援を行っています。初回の外来受診がスムーズに行うことができるように緩和ケア外来初診の患者さんの現在の病状や今後の希望などをあらかじめ伺い、診察前に診療情報提供書や資料等を郵送してくださるようにお願いしています。地域連携室直通電話(011-817-5120)までお問い合わせください。
2.他院受診支援
他医療機関の受診予約や紹介先への資料送付などの支援を行っています。
3.バックベッド(緊急入院対応)
訪問診療医や開業医から入院の相談を受けた際に、スムーズに患者さんの入院をお受けできるようにしています。当院を一度受診していただき定期的に情報交換を行いベッドの活用していただいております。
4.健康セミナーの開催
定期的に開催されている当院の健康セミナーでは職員が緩和ケアや健康に役立つテーマで分かりやすくお話をします。開催日やテーマの告知を行っており、当院に通院していない方もお話を聞くことができます。
MSW室
室長 常俊友紀子
(ほか社会福祉士2名)
MSW室は社会福祉士(ソーシャルワーカー)が入院・外来通院されている患者様やご家族からの相談をお受けする窓口です。
入院・外来通院されている患者様やご家族に以下のことを行っています。
1.経済的な相談
医療に関しての各種制度についてのご案内、医療費の支払いや入院中の金銭管理に関して相談にのります。
2.心理・社会的なサポート
患者様・ご家族が不安に思っていることや心配なことなどについてお話を伺ったり、どうすれば良いのかを一緒に考えます。
3.退院時のサポート
療養先や在宅でのサービスについて相談にのります。
4.緩和ケアについての相談
当院で緩和ケアを受けたいと考えていらっしゃる場合のお問い合わせや他院からの転院をご希望されている患者様・ご家族からのご相談をお受けしています。
お電話でのお問い合わせ以外にも、ご見学や直接来院されてのご相談にも応じています。なお病室の見学については、プライバシーと感染の面からお断りしており、写真でのご案内となりますのでご了承ください。
見学やご相談をご希望の方は、事前にご希望の日時の連絡が必要です。
ご希望の方は、直接相談室(西棟1階ふれあいコーナー)に来ていただくか、お電話(MSW室直通 011-557-8336)でお問い合わせください。
5.セカンドオピニオン外来の予約
治療の選択についてお困りの方に対し、当院ではセカンドオピニオン外来を設けております。その後要約のお手伝いもいたします。詳細は、下記をご参照ください。
相談承り件数(2018年度)
心理・社会的サポート | 2819件 |
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退院支援 | 2463件 |
経済面の相談 | 316件 |
緩和ケア相談(地域からの問い合わせ) | 103件 |
その他(受診サポート) | 301件 |