倫理的な問題や課題に気づき、どのように対処したらよいか、あるいはどのように対処すべきかを考えて倫理的行動力を高める。
インフォームド・コンセント(informed consent)とは、「説明と同意」と訳されますが、患者・家族が病状や治療について十分に説明を受け、その内容を理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意する過程をいいます。
現代の医療はすべてインフォームド・コンセントに基づいて行われており、東札幌病院では、臨床倫理委員会がそのガイドラインを定め、これを遵守しております。
がん終末期患者さんに対する医療を提供する場合、苦痛が緩和され、QOLの維持向上を目指すことが基本姿勢となります。しかし、苦痛・苦悩が緩和されなければ、がん終末期患者の尊厳が損なわれる可能性があり、当院では「がん終末期患者の尊厳を守るための治療とケアに関するガイドライン~苦痛・苦悩の緩和が困難な場合~」を定め、これを遵守しております。
・東札幌病院 がん終末期患者の尊厳を守るための治療とケアに関するガイドライン~苦痛・苦悩の緩和が困難な場合~(PDF)
また、疾患の終末期ないしは終末期に近づいている状態において、心停止ないし呼吸停止した場合、成功する見込みが少ない、あるいは成功したとしても患者に益をもたらさないと見込まれるような状況も生じます。こうした場合、心肺蘇生術《心臓マッサージ(胸部又は胸骨の圧迫)・人工呼吸など》を試みずに、安らかな最期となるように看取ることも選択肢の一つとなってきます。東札幌病院では、患者さんの尊厳を守り、自己決定権、自律の原則を尊重するために、“がんの終末期に心肺蘇生を試みない看取り(DNR)”に関わるガイドラインを定め、医療チーム内の合意形成、患者・家族と医療チームとの合意形成の検討プロセスを明確にし、これに基づいて対応を行っております。
・東札幌病院 がんの終末期に心肺蘇生を試みないこと(DNR)ガイドライン(PDF)
・東札幌病院 苦痛・苦悩の緩和が困難な場合の検討プロセス確認用紙(PDF)
・東札幌病院 がんの終末期に心肺蘇生を試みないこと(DNR)確認用紙(PDF)