緩和ケア病棟(PCU:パリアティブ・ケア・ユニット)
PCU(パリアティブ・ケア・ユニット)とは、
緩和ケアを目的とした医療を行うために 厚生労働省に届けをしている病棟です。
思いやり、ささえあう 人としての「やさしさ」の医療
緩和ケア病棟においては、がんをはじめとする命に関わるような病を患っている患者さん及びご家族に対し、人生の質を高めるために「緩和ケア」を専門に提供させていただいております。具体的に病気を治すという視点だけでなく、身体や気持ちのつらさ、生活そのものに対する悩みを解決する視点で対応策を考えていきます。
緩和ケアは決して、終末期の患者さんだけに提供されるものではありません。がんと告知された時点から患者さん、ご家族へ提供されなければならないものであり、病状の進行に伴って、その比率は増えてまいります。
また、お亡くなりになった後でも、ご遺族へのケアは引き続いてなされなければなりません。当院では、良質な緩和ケアを提供するために、多くの専門的職種によるチームアプローチを基盤とし、医療スタッフと患者さん、ご家族とのコミュニケーションを大切に、患者さんへの全人的ケアを念頭において、個々の患者さんご家族にとって、最適なケアを実践していくよう心がけております。
平成21年9月より、緩和ケア病棟が58床(西棟28床、東棟30床)に、令和6年6月より84床(西棟28床、東棟56床)に増床になりました。また、緩和ケア病棟だけでなく、一般病棟においても、同様のケアがなされております。
当院の地域連携室等を通して、お気軽にご相談いただければ幸いに存じます。
緩和ケア病棟理念
- ホスピスケア:がん専門病院の緩和ケア病棟として患者、家族のQOL(生活の質)の向上を目指した全人的ケアを行います。
- チーム医療:多職種との専門集団による良好なコミュニケーションを基盤としたチーム医療を構築します。
- 研究・教育:緩和ケアの臨床研究を積極的に行い、ケアの質の向上に努める。また他施設からの研修も受け入れ、共に学び、高め合っていきます。
緩和ケア病棟基本方針
- がん疼痛をはじめとする症状コントロールの実践、研究を行います。
- 患者、家族の個別性、プライバシーを尊重した生活環境を整えます。
- カンファレンスを活用し、チーム間のコミュニケーションを良好に保ちます。
- コミュニティーにおける緩和ケア病棟として他病棟、他職種、他病院、地域と連絡を取りながらケアの継続をはかります。
- 専門の医療スタッフがチームを組んで患者さん・ご家族とともにおこなう医療
医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、栄養士、薬剤師、リハビリスタッフ、音楽療法士、検査技師、ボランティアなどの多職種の専門スタッフがチームを組み、 患者さん一人ひとりきめ細かく支えていきます。
患者さんにとって何がもっとも良い状態なのか、十分なコミュニケーションを図りながら、患者さんやご家族とともに考え、ともに医療をおこないます。
- ごく普通の日常生活により近い環境を保つそして「その人らしさ」を大切にするケア
患者さんやご家族が希望していることに細やかに耳を傾け応えていくことで、 もっとも「その人らしい」生活となることを尊重した医療と看護をおこないます。 温かい人間同士の交流をもとに、趣味やその話題を楽しんだり、ボランティアによる季節の行事を楽しんだり、 生活の中にやすらぎや楽しみをもつことができるような主体的な療養生活を応援します
- 医療ソーシャルワーカーによる心理社会的サポート
当院では、患者さんのこころとくらしを大切にしたケアを行うため、医療ソーシャルワーカーを配置しております。患者さんやご家族の不安や心配事のご相談をお受けし、心理社会面からのサポートも大切にしています。