包括的がん医療・緩和ケア

包括的がん医療・緩和ケア

当院の最大の特徴は、包括的がん医療・緩和ケアの実施にあります。1983年(昭和58年)の開院以来、“医療の本質はやさしさにある”の理念のもと、37年間一貫して総合的ながん医療、総合的な地域医療を提供する役割を果たしてまいりました(病院について/1.ご挨拶病院について/2.理念・基本方針)。東札幌病院の提供する包括的がん医療・緩和ケアについてご紹介いたします。

変わらぬ姿勢:病院開設時の理事長挨拶

未来の医療、福祉は地域社会の成熟により完成される。

21世紀に確かなことは医学分野においても飛躍的な科学技術の進歩があることです。 私達はこの進歩に積極的に参加することが必要です。

しかし私達はこれが医学的事象であると共に社会的現象であることを忘れてはなりません。医の限界には二つの要素があります。ひとつは死という根本的な限界。もうひとつは医療が社会の価値体系に左右されるという限界です。ますます社会の価値体系が多様になる中では21世紀の医療と福祉は地域社会全体で確立されるべきと考えます。この場合の医療体制は、人々の健康増進から、予防、診断、治療、リハビリテーションまでの一貫した総合的な医療、いわゆるプライマリー・ヘルス・ケア(全人的医療、包括医療)となります。このプライマリー・ヘルス・ケアも、よき人、よき地域社会があってのこと、東札幌病院はその特色を持ってプライマリー・ヘルス・ケアのネットワークの中で地域社会に参加していきたいと考えます。

プライマリー・ヘルス・ケアの基本はターミナル・ケアの基本と同一である。

21世紀の4大疾患は「心臓病」「がん」「精神病」「先天性奇形」といわれます。

東札幌病院はこのうち「がん」を主な対象と考えています。またいわゆる成人病、慢性疾患など高齢化社会に増加する種々の疾患にも対応していこうとしています。これらはいずれもプライマリー・ヘルス・ケアであり、「がん」の持つ様々な問題こそ私達が健康と幸福を哲学とする原点であると考えます。

医療の本質は「やさしさ」にある。

この実践が最も早く遂行される形態が緩和医療であり「ホスピス」はその象徴である。

この医療理念で東札幌病院は運営されています。緩和医療の基本は「チーム医療」です。各分野の専門家によって個々の患者さんの人生をいかに全うするかを本人と家族と共に医療を行うことで、これはまぎれもなくプライマリー・ヘルス・ケアの本質です。「チーム医療」は地域社会のケアの仕組みのモデルとなります。

病院は医療のコミュニティである

コミュニティ(共同社会)は中心的な事項に共に努力する人々の集まりを意味します。

医師は医学という科学技術をもって研鑚を積み、看護婦は看護という総合人間学をもって自分自身を含め人間の成熟を計り、その他の病院に務める人も常にプロフェッショナルとしての向上心をもって病院に集わなければなりません。さらに患者さんもその家族も個々の社会的背景を核に、またボランティアの人々も、このコミュニティに参加しているという認識が非常に重要です。お互いに人間同士として尊重し合い、対等の立場で「人間の幸福」と健康を創造していこうではありませんか。

昭和58年4月15日 石谷 邦彦 記

東札幌病院の緩和ケア

東札幌病院の”緩和ケア”について

緩和ケアは、以前ホスピス・ケアと呼ばれていました。「ホスピス」の語源はラテン語で「もてなす人」と「もてなされる人」、つまり人が人を「人として」ケアすることを意味しますが、このホスピス精神=人を人としてどんなときにも手厚くケアする精神が当院にそのまま受け継がれています。緩和ケアは本来、このホスピス・ケアの精神をそのまま受け継ぐものであり、決して「症状のコントロール」だけが緩和ケアではありません。当院ではすべての専門科の医師がこのような意味での緩和ケア精神に立って診療を行おうと努めています。患者さんを(人として)その全体として見て、病気そのものに対する治療と症状コントロールの両者に対して、その時々に最も必要なことを適切に組み合わせて行い、患者さんの為にベストを尽くすことを心掛けています。

東札幌病院の”緩和ケア病棟 Palliative Care Unit (PCU)”について

緩和ケア病棟 Palliative Care Unitの存在が当院の大きな特徴です。東棟と西棟に各々30床、28床計58床の病床数は東日本最大であり、緩和ケアの要となっています。当院では一般病棟でも緩和ケアを行う場合がありますが、この病棟は特に症状コントロールと精神的ケアやスピリチュアル・ケアを含む全人的ケアが必応な患者さんに十分対応できるように準備されています。

症状コントロールと”全人的“ケア

当院では、症状コントロールと”全人的”ケアに関しては、日本、世界の標準治療(ガイドラインを含む)に則ることはもちろんですが、日夜世界の最先端の緩和ケア研究を照会しつつ、その最新の知見をも取り入れてきました。それは、オピオイド等の鎮痛剤の使い方からがん患者さんの心理的問題、スピリチュアル・ケアにまで及んでいます。

症状コントロールの実際

*WHOの3段階除痛ラダー(梯子)

がんの痛みには、WHOの段階的除痛方式*に従って非オピオイド系鎮痛剤から弱いオピオイド**、そして強いオピオイドへと薬剤を選択し、できるだけ副作用が少なくかつ効果が最大となるように薬剤を調整していきます。さらに神経を冒す痛み(神経障害性疼痛)等の難治性疼痛には、抗うつ剤や抗てんかん薬等オピオイドとは違う種類の薬を組み合わせて効果的な鎮痛を図ります。複数のオピオイド等を組み合わせて副作用の軽減を図りながら、その相乗効果で鎮痛効果のアップを狙ったり、当院に来られた時には大量に使われていたオピオイドを著明に減量させるということも行ってきました。常に世界の最新の知見に基づき、薬剤の効果的な使用法を日夜追求し続けております。

***オピオイドとは、モルヒネやフェンタニルなどの植物アルカロイドとその誘導体、エンドルフィンやエンケファリン類などの内因性オピオイドペプチド、およびトラマドールやナロキソンなど合成麻薬の総称。がんの痛みのコントロールの為に使われる中心的な薬剤。この薬剤の性質に習熟した緩和ケア医の適切な使用により、安全かつ非常に効果的にがんの鎮痛を計ることが可能となります。

多職種チームによる“全人的”ケア

”緩和ケア”は、単に痛みや呼吸困難などの身体症状を軽減することだけを目指すものではなく、患者さんの立場に立って、そのすべてのニーズを満たそうと努める”全人的”ケアです。そのニーズは、身体的症状、心理的問題、家族や職場や社会との関係、死への恐れや死の過程への不安等の実存的問題までもを含み、これらをすべて満たす為に、私達は、内科医のみでなく、精神科医、看護師、ソーシャルワーカー、理学療法士、薬剤師、栄養士等の多くの職種で一つのチームを作り、患者様の状態を全人的に評価し、それに基づいて協力し合って、日々ケアを行っています。

東札幌病院の”緩和ケア”の国際的広がりについて

このような当院の医療思想とその実践は、日本だけではなく、世界にも大きな影響を与え、それは、来年第3回を迎え、札幌にて当院主催で開催される”がん緩和ケアに関する国際会議”として結実しています。この会議は、世界の一流の緩和ケア研究者が一堂に会し、世界の最先端の緩和ケア研究を論ずる場であり、その思想基盤も、同じ、人を人としてどんな時にも手厚くケアする「基本的人権擁護としての緩和ケア」なのです。

設立時からこのような精神に貫かれた当院の緩和ケアを多くの患者さん達に是非体験して頂きたいと思っております。

緩和ケア科科長 中村 健児

パリアティブ・ケア・ユニット(緩和ケア病棟)

PCU(バリアティブ・ケア・ユニット)とは、
緩和ケアを目的とした医療を行うために
厚生労働省に届けをしている病棟です。

思いやり、ささえあう 人としての「やさしさ」の医療

緩和ケア病棟においては、がんをはじめとする命に関わるような病を患っている患者さん及びご家族に対し、人生の質を高めるために「緩和ケア」を専門に提供させていただいております。具体的に病気を治すという視点だけでなく、身体や気持ちのつらさ、生活そのものに対する悩みを解決する視点で対応策を考えていきます。

緩和ケアは決して、終末期の患者さんだけに提供されるものではありません。がんと告知された時点から患者さん、ご家族へ提供されなければならないものであり、病状の進行に伴って、その比率は増えてまいります。また、お亡くなりになった後でも、ご遺族へのケアは引き続いてなされなければなりません。当院では、良質な緩和ケアを提供するために、多くの専門的職種によるチームアプローチを基盤とし、医療スタッフと患者さん、ご家族とのコミュニケーションを大切に、患者さんへの全人的ケアを念頭において、個々の患者さんご家族にとって、最適なケアを実践していくよう心がけております。

平成21年9月より、緩和ケア病棟が58床(西棟28床、東棟30床)に増床になりました。また、緩和ケア病棟だけでなく、一般病棟においても、同様のケアがなされております。当院の地域連携室等を通して、お気軽にご相談いただければ幸いに存じます。

緩和ケア病棟理念

  1. ホスピスケア;がん専門病院の緩和ケア病棟として患者、家族のQOL(生活の質)の向上を目指した全人的ケアを行います。
  2. チーム医療;多職種との専門集団による良好なコミュニケーションを基盤としたチーム医療を構築します。
  3. 研究・教育;緩和ケアの臨床研究を積極的に行い、ケアの質の向上に努める。また他施設からの研修も受け入れ、共に学び、高め合っていきます。

緩和ケア病棟基本方針

  1. がん疼痛をはじめとする症状コントロールの実践、研究を行います。
  2. 患者、家族の個別性、プライバシーを尊重した生活環境を整えます。
  3. カンファレンスを活用し、チーム間のコミュニケーションを良好に保ちます。
  4. コミュニティーにおける緩和ケア病棟として他病棟、他職種、他病院、地域と連絡を取りながらケアの継続をはかります。

■ 専門の医療スタッフがチームを組んで患者さん・ご家族とともにおこなう医療

医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、栄養士、薬剤師、リハビリスタッフ、音楽療法士、検査技師、ボランティアなどの多職種の専門スタッフがチームを組み、 患者さん一人ひとりきめ細かく支えていきます。

患者さんにとって何がもっとも良い状態なのか、十分なコミュニケーションを図りながら、患者さんやご家族とともに考え、ともに医療をおこないます。

■ ごく普通の日常生活により近い環境を保つそして「その人らしさ」を大切にするケア

患者さんやご家族が希望していることに細やかに耳を傾け応えていくことで、 もっとも「その人らしい」生活となることを尊重した医療と看護をおこないます。 温かい人間同士の交流をもとに、趣味やその話題を楽しんだり、ボランティアによる季節の行事を楽しんだり、 生活の中にやすらぎや楽しみをもつことができるような主体的な療養生活を応援します。

■ 医療ソーシャルワーカーによる心理社会的サポート

当院では、患者さんのこころとくらしを大切にしたケアを行うため、医療ソーシャルワーカーを配置しております。患者さんやご家族の不安や心配事のご相談をお受けし、心理社会面からのサポートも大切にしています。

医療者の皆様へ:臨床腫瘍学と緩和ケア
(clinical oncology and palliative care)

東札幌病院理事長 石谷 邦彦

1. はじめに

がんと言う困難な病(やまい)に対し人々は19世紀に二つのモデルを創出した。一つは、がん治療というモデルでありHalstedの乳がん、Billrothの胃がんの手術、Curie夫妻によるラジウムの発見からの放射線治療、そして今一つはMary Aikenheadに始まるがん患者のためのホスピス・ケアというモデルである。その後両モデルは20世紀後半までそれぞれ独自の歩みを辿っていた。因みに抗がん剤による薬物療法は1946年のHodgkin病へのnitrogen mustardが始めである。

人々の切なる願いからがん治療の進歩は目覚ましく今日なおも発展し続けている。一方ホスピス・ケアも緩和ケア、サポーティブ・ケアというパラダイムのもとその実践はほぼ全世界に拡大している。これらの歴史とその内容の詳細は当院編集の下記の成書を参照されたい。

1) チームがん医療実践テキスト 先端医学社 2011年

2) チーム エンド・オブ・ライフケア 実践テキスト 先端医学社 2014年

3) 東札幌病院 緩和ケアテキストブック2018 東札幌病院編集委員会 非売品

現在これらの経緯を経て、がん治療(臨床腫瘍学)モデルと緩和ケアモデルの統合ががん患者のケアに最適と合意されている。その具体性についての議論が本論の主題である。

2. がん治療と緩和ケアの統合(Integration of oncology and palliative care)

20世紀後半、米国ではProject on Death in Americaの名のもとに 医療界を中心として国を挙げてEnd of Life Careの研究と啓蒙が推進された1) 。その一環として1998年米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology, ASCO) は、当時の会長Robert Meyerが主催した年次大会でその主旨を”Cancer Care at the End of Life”とし提言を行なった2)(Appendix 1)。その10年後の2008年ASCOは過去10年間のがん緩和ケアの進歩を振り返り未來の2020年に向けて包括的がん医療(comprehensive cancer care)の具体化を期待した3)。2010年Jennifer Temelが無作為比較試験(randomized control trial RCT)により早期からの緩和ケアのがん治療への導入が患者のアウトカムを利するとした論文をN Engl J Medに掲載した4)。このエポックは世界のがん医療関係者に大きな衝撃を与え、以来がん治療と緩和ケアの統合に関する研究は今日もなお続いている。これらを受けてASCOを中心に多くのガイドラインが提出された5) 6) 7) 8) 9)

2008年の報告と提言が見事に功を奏している。これはある意味で一つのパダイムシフトである。

一方ヨーロッパでは、2018年Stein KaasaらによりLancet Oncology Commission: Integration of oncology and palliative careが提起された10)。その際がん治療のモデルはtumor-directed approach、緩和ケアのモデルはhost-directed approachと明快に表現されている。私達の専門分野の一つであった腫瘍免疫のテーゼであるtumor-host relationshipを彷彿させる極めて象徴的なパラダイムである。

2019年の第16回ヨーロッパ緩和ケア学会(16th World Congress of the European Association for Palliative Care, EAPC)は、ヨーロッパ臨床腫瘍学会(European Society of Medical Oncology, ESMO)とLancet Commission:Integration of oncology and palliative careをテーマに合同セミナ−を開催しその内容を合意している。

2020年ASCOは学会誌であるJ Clin Oncolで “Palliaitive Care: Science and Practice (緩和ケア:科学と実践)”の特集を組んでいる11)。総論はJennifer Temelが記し、15章に及ぶreview(報告)には著名ながん緩和ケアの権威が名を連ねている。しかし各reviewのほとんどが実践をEBMに則って実証したという内容である。つまり社会科学の範疇なのである。科学は自然科学と人文科学(社会科学と哲学)から成り、緩和ケア研究には自然科学が欠けているという批判を敢えて甘受しておきたい(Appendix 2)。

特集のまとめのreviewはIrene Higginsonのグループの1人Arif Kamalが今後の問題として、がん治療と緩和ケアの統合の質の担保と包括的がんセンタ−への期待を記している。しかし残念ながら曖昧な表現に留まっている12)。包括的がんセンタ−が過不足なく機能することはかなり困難なことと言えよう。

3. 緩和腫瘍学(palliative oncology)のパラダイム

がん治療と緩和ケアの統合については誰しもが異論を挟まない。その統合を阻むバリアーの一つである教育において両モデルの襷掛けのような工夫もなされている。そして多職種が関わる包括的がん医療(センタ−)の役割にがん医療関係者は多くの期待を抱いている。しかしながら、自然科学に重きを置いてきた臨床腫瘍学と、人文科学に重きを置き対症療法が主体の緩和ケアの統合は臨床現場では全く困難である。

私達は緩和ケアを臨床腫瘍学の重要な部分としてがん医療を行ってきた。つまりがん患者に直接相対する臨床腫瘍医が緩和ケアの提供者であるべきとの考え方である。Thomas Smithも同様の考え方を提唱している。その場合がん治療もより効果的に実施されると主張した13)。半世紀に亘る経験から、がんに関する医療の在り方はがん医療と緩和ケアの統合と言うより科学としての緩和腫瘍学の確立が本質と帰結するに至ったのである。これは改めてのパラダイムシフトと言えよう。科学として在ると言う事は常に進歩することが善という価値観の下にある。緩和ケアの理念「人権擁護の思想」のもと緩和腫瘍学として研究が遂行され対症療法の範囲を超える事を希求している。がん医療が自然科学と人文科学の両者の観点から追求されてこそ、その未来を描けると確信している。

Appendix 1に付したが、1998年のASCOのexecutive summaryには“臨床腫瘍医は診断時から適切な抗がん治療とともに、症状のコントロール、心理社会的なサポートを終末期までの全ての時期のケアの責任を持たなければならない”とあり、同感である。

2014年から私達はがん緩和ケアに関する国際会議、Sapporo Conference for Palliative and Supportive Care in Cancerを主催してきた。詳細はwebsiteを参照されたい。カンファランス二日間は1日目が自然科学を主とした緩和腫瘍学(palliative oncology)、2日目は人文科学を主とした精神(社会)腫瘍学(psycho-social oncology)のプログラムに統一されている。本来精神腫瘍学も緩和腫瘍学に包含されるが、その重要性を鑑み大きく取り上げている(http://www.sapporoconference.com/en/index.html)。

 

4. おわりに

科学哲学の権威Thomas Kuhnのパラダイムシフト(知的枠組の転換, paradigm shift)の一節を自戒としつつ紹介し論を終える14)

パラダイムシフト(paradigm shift、知的枠組みの転換)
科学的認識は、それがどんなに客観性を装うとも科学者集団の内部における価値観や思想を反映している。従ってそれはあくまでも相対的な認識である。

 

文 献

  1. Field MJ, Cassel CK (eds): Institute of Medicine: Approaching Death; Improving Care at the End of Life. Washington DC, National Academies Press, 1997. http://www.nap.edu/html/approaching/
  2. American Society of Clinical Oncology: Cancer care during the last phase of life. J Clin Oncol 16: 1986-1996, 1998
  3. Ferris DF, Bruera E. et al: Palliative cancer care a decade later: accomplishments, the need, next steps-from the American Society of Clinical Oncology. J Clin Oncol 27: 3052-3058, 2009
  4. Temel JS, Greer JA et al: Early palliative care for patients with metastatic non-small-cell lung cancer. N Engl J Med 363:733-742, 2010
  5. Smith TJ, Temin S. et al: American Society of Clinical Oncology provisional clinical opinion: The integration of palliative care into standard oncology care. J Clin Oncol 30:880-887, 2012
  6. Levy MH, Smith TJ, et al: Palliative care , version 1. 2014. Featured updates to the NCCN guidelines. J Natl Compr Canc Netw 12:1379-1388, 2014
  7. Bickel KE, McNiff K. et al: Defining high-quality palliative care in oncology practice: An American Society of Clinical Oncology/American Academy of Hospice and Palliative Medicine guidance statement. J Oncol Pract 12e828-e838, 2016
  8. Ferrel BR, Temel JS, et al: Integration of palliative care into standard oncology care: American Society of Clinical Oncology clinical practice guideline update. J Clin Oncol 35:96-112, 2017
  9. Ahluwalia SC, Chen C, et al: A systematic review in support of the National Consensus Project clinical practice guideline for quality palliative care, fourth edition. J Pain Symptom Manage 56:831-870, 2018
  10. Kaasa S, Loge JH, et al: Integration of oncology and palliative care: a Lancet Oncology Commission. Lancet Oncol 19(11):e588-e653, 2018
  11. Jacobsen PB(eds) : Palliative Care : Science and Practice. J Clin Oncol 38:849-1001, 2020
  12. Kamal AH, Bausewein C, et al: Standards, guidelines, and quality measures for successful specialty palliative care integration on oncology: Current approaches and future directions. J Clin Oncol 38:987-994. 2020
  13. Rangachari D, Smith TJ : Integrating palliative care in oncology, The oncologist as a primary palliative care provider. Cancer J 19(5):373-378, 2013 doi: 10.1097/PPO.0b013e3182a76b9c
  14. Thomas Kuhn著 中山茂訳:科学革命の構造. みすず書房, 1971年

 

Appendix 1

Cancer care during the last phase of life.
EXECUTIVE SUMMARY:

The American Society of Clinical Oncology (ASCO) believes that it is the oncologists’ responsibility to care for their patients in a continuum that extends from the moment of diagnosis throughout the course of the illness. In addition to appropriate anticancer treatment, this includes symptom control and psychosocial support during all phases of care, including those during the last phase of life. In an effort to assure that all patients and their families have access to optimal care at the end of life, ASCO firmly believes it is essential to emphasize a humane system of cancer care based on the following principles: Cancer care is centered around the longstanding and continuous relationship between the primary oncologist or other physician with training and interest in end-of-life care and the patient; Cancer care is responsive to the patient’s wishes and to the parents’ wishes if the patient is a child; Cancer care is based on truthful, sensitive, empathic communication with the patient, and in the case of pediatric patients, that care is both family centered as well as child focused; and Cancer care optimizes quality of life throughout the course of an illness through meticulous attention to the myriad physical, spiritual, and psychosocial needs of the patient and family. To reach these goals, ASCO has identified numerous obstacles that hinder delivery of high-quality end-of-life care and offers recommendations for improvements. ASCO is committed to informing its membership and the public about the significant barriers to optimal care at the end of life, and advocating legislative and regulatory changes that will eliminate these barriers.
Robert Meyer, J Clin Oncol 16; 5(May), 1998. 1986-1996

 

Appendix 2

緩和ケア分野で自然科学として研究が進んでいるのはオピオイド(opioids)の領域であろう。オピオイド受容体がG蛋白質共益受容体であり、オピオイド受容体同士や異種受容体との多量体(heteropolymer)形成により多彩な作用を惹起する、いわば神経伝達物質の“マスタ−キイ・ドラック”である研究方向は今後の緩和ケアにおける種々の症状解明に期待される所である。

 

参考文献

  1. Richards EM, Mathews DC, et al: A randomized, placebo-controlled pilot trial of the delta opioid receptor agonist AZD2327 in anxious depression. Psychopharmacology(Berl) 233(6):1119-1130, 2016
  2. Gupta A, Mulder J, et al: Increased abundance of opioid receptor heteromers following chronic morphine administration. Sci Signal 3(131):ra54, doi;10.1126/scisignal.2000807. 2011
  3. Gomes I, Gupta A, et al: A role for heterodimerization of μand σopiate receptors in enhancing morphine analgesia. PNAS 101(14) :5135-5139, 2004
  4. Qian M, Vasudevan L, et al: Design, synthesis, and biological evaluation of bivalent ligands targeting dopamine D2-like receptors and the μ-opioid receptor. ChemMedchem 13:944-956, 2018 DOI:10.1002/cmdc.201700787